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便移植(FMT: Fecal Microbiota Transplantation):潰瘍性大腸炎(UC)、難治性、治療、抗菌薬療法、クロストリジウム・ディフィシル

便移植、耳慣れない言葉ですね。
便移植と聞いてみんさんはどんな治療を思い浮かべるのでしょうか?
今日はその「便移植」についてお話しさせていただきます。

便移植は再発性クロストリジウム・ディフィシルの治療に端を発し、腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)のある難治性潰瘍性大腸炎(UC)に対しての効果が期待される治療として研究がなされています。

便移植の実際
1. 健康人の糞便を約500ccの生理食塩水と攪拌し、ガーゼを用いて濾過する
2. 大腸内視鏡で腸管の状態を評価した患者様に、内視鏡を使用して腸内に濾過糞便を注入する
3. 便移植後1時間横になってもらい帰宅となる

「意外に簡単だな」という印象を受けた方が多いのではないでしょうか。
その通りで、複雑な治療ではありません。
この治療で重要なのは
tiger効果的な腸内細菌叢の再構築
tigerドナー(提供者)の選定
この2点が重要鍵を握っていいます。

この2点についての最適条件を求めるための研究が行われていますが、結論を得るには至っていません。
「3剤抗菌薬併用FMT」などが提唱され研究が始まっています
*3剤:アモキシリン1500mg/ホスホマイシン3000mg/メトロにダゾール750mga

現状での便移植の効果については、滋賀医科大学消化器内科教授の安藤朗先生は「現時点では、UCへのFMTの効果は限定的といわざるえない」とコメントしているように、未確立の治療ですが、難治性UCの患者様には期待の持てるこれからの治療だと考えています。

当院へご相談いただければ対応医療機関へのご紹介も可能ですのでご相談ください

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