クリニックニュース

2017.02.03更新

潰瘍性大腸炎(UC)の患者様は現在17万人を超えております。
私どもクリニックでは主に軽症から中等症の患者様の診療にあたっております。
重症の患者様に関しては、当院では抗TNFα抗体製剤であるインフリキシマブ®レミケード、アダリムマブ®ヒュミラの治療導入までは対応しておりますが、血球成分除去療法、タクロリムス経口投与、シクロスポリン持続注入療法の適応および外科的治療の必要な患者様に対しては、近隣あるいあ患者様の希望される高次医療機関へご紹介させていただいております。

今回は、中等症潰瘍性大腸炎の治療で重要なウエイトを占めるステロイド治療についてお話させていただきます。
5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤では寛解導入が困難な場合に第一選択薬となる重要な薬剤です。
その使用方法は

flower2寛解導入初期投与量
  中等症:プレドニゾロン 30〜40mg/日
  重 症:プレドニゾロン 60〜80mg/日
*臨床経過、内視鏡所見、ステロイド治療歴などを考慮し総合的に投与量を決定

ステロイドは非常に強力で効果が期待できる薬剤ですが、常に副作用の問題悩まされます。ざ瘡、満月様願貌(ムーンフェイス)、消化性潰瘍、精神症状、不眠、内分泌(ホルモン)異常、白内障、骨粗鬆症など多種多様な副作用を認め、患者様の生命予後にも影響しかねない合併症もございます。

「ステロイドはそう投与量が10,000mgを超えると重篤な副作用リスクが高まります」
*周術期合併症のリスクも高くなることから、10,000mgを超える患者様については定期的な手術を選択肢の一つとして考慮しなければなりません。

以上の点から、

「寛解導入後は、ステロイドからの離脱(ステロイドフリー)を目指す」

flower2寛解導入後は、2週間を目安に、20mgから10mgずつ減量し、投与量が20mg以下になれば2週間で5mg程度ずつ減量していく
*ステロイドの減量はデリケートな作業ですから、患者様の臨床経過を慎重に見極めながら行っていきます。内視鏡的寛解の有無も重要な指標になります。

flower2ステロイド難治例に対する治療
ステロイドで寛解導入できない抵抗例やステロイド漸減中に再燃するステロイド依存例などの難治例に対しては、冒頭にも申し上げたように、インフリキシマブ、血球成分除去療法、タクロリムス、アザチオプリン等を用いて、速やかに寛解導入後、ステロイドフリーを目指すことになります。

投稿者: 新宿トミヒサクロスクリニック

2017.02.02更新

名古屋市立大学病態医科学講座教授の田中泰人先生が、抗HIV能、抗HBV能ともに高い新たなNAとなる、CAdACdGを作成したとの報告がございました。
この2種類の新規NAは、これまで知られているエンテカビル(ETV)耐性株だけでなく、新たに同定されたETV耐性株にも高い効果が認められています。
まだまだ実験系の中での効果で、マウスの実験では効果を認めているのですが、ETVと比較して高濃度ではミトコンドリアなどの障害が高率に起こることも確認されています。
人への応用にはまだまだ障壁があるようですが、B型肝炎患者様の福音に繋がればと思います。
将来的に現状では不可能と言われているHBVでのcccDNAを排除できる薬が開発される良いのですが…

投稿者: 新宿トミヒサクロスクリニック

2017.02.02更新

日本ヘリコバクター学会より「Helicobacter pylori(H. pylori)感染の診断と治療ガイドライン(GL)」が発表されています。
2013年よりHp感染胃炎への治療が保険適用され、感染者全員が保険診療で除菌できる時代となりました。
これを踏まえ、最新のGL改訂版においては、「Hp感染者は全員除菌すべき」としており、Hp除菌治療が推奨レベルAとなっています。

高齢者の除菌治療に関しては、薬剤の副作用、身体機能の個人差が大きいことから一律の除菌治療には意見のあるところですが、胃がんとHp感染には明らかな因果関係があることの裏付けとも言えるわけです。

私どもから患者様にお願いしたいののは、

「どのような検査でもいいですから、Hp感染の指摘を受けている方は、先ずは専門医を受診し除菌の適否に関しての評価を受けてください」

と言うことです。
もちろん私どもの施設でもしっかりと対応させていただきます。

基本的に検診などでHp感染を指摘されて来た患者様には、胃カメラ:上部消化管内視鏡検査を予定させていくのが通常の診療の流れでございます。
Hp感染に伴う内視鏡診断においては

tigerHp未感染粘膜
tiger現感染粘膜
tiger除菌後粘膜

上記を念頭に内視鏡診断を進めて行くわけです。
2014年出版の「胃炎の京都分類」における上記内視鏡診断の重要ポイントは、

boar「集合細静脈の規則的配列(RAC)が未感染粘膜の所見」
boar「びまん性発赤が現感染粘膜の所見」

と定義されていることです。
内視鏡での胃粘膜の状態から、未感染者、現感染者、既感染者を判別し、必要があればHp感染の確定検査を効率良く行うことが可能になっています。
そして未感染者であれば定期的経過観察、現感染者であれば除菌治療、既感染者であれば経過観察と今後の診療見通しが立てられるのです。

Hp感染の可能性がある患者様は先ず専門医を受診されることをお勧めします

投稿者: 新宿トミヒサクロスクリニック

2017.02.01更新

当院でも多くの糖尿病患者様の診療にあたっております。
最近マスメディアを始め、多くの場所で「糖質制限」という言葉を耳にします。
私どもも糖尿病診療の際、食事/運動療法の指導においてカロリー制限の指導をいたします。
糖質制限はカロリー制限の観点からある程度のエビデンスはあろうかと思いますが、やり過ぎはいかがなものでしょう。
この点に関しては、RCTやメタ解析での確固たるエビデンスが発表されていないことからも、その導入には慎重さが必要でしょう。
日本糖尿病学会も

カロリー制限なしの極端な炭水化物摂取制限は、長期的な食事療法としての科学的根拠が不足しているため現時点では勧められない」

としています。
情報が氾濫している世の中です。信頼できる情報に基づいた判断が重要になります。

投稿者: 新宿トミヒサクロスクリニック

2017.02.01更新

検診や通院中の採血検査で、「午前中に食事を食べないで来院ください」とはよく耳にする文言です。
これは血糖や脂質(コレステロール、中性脂肪)など、食事によりその数値が影響を受けるであろう項目に留意した注意です。

実際の医療現場(実臨床)においては、絶食が困難な患者様もおり、診療や検査の受療勧奨の妨げとなる現状もございます。

この様な背景から、脂質プロファイルに関して、空腹時の検査値に代えて、非空腹時の検査データを用いることの臨床的意義が評価されました。
その結果、非空腹時試料では、一部の脂質において空腹時試料に比べ若干の上昇が見られたものの、いずれも臨床的に優位な差ではなかったと結論されています。
このことから、欧州動脈硬化学会(EAS)と欧州臨床化学/臨床検査連盟(EFLM)は

「脂質値の測定を目的としたルーチン検査は、空腹時ではなく非空腹時に行うことを推奨する」

とい言ったステートメントを発表しています。
この声明では、脂質検査の受診率を高めるため、非空腹時の脂質プロファイルをルーチンで用いることを推奨しています。

今回の声明での非空腹時試料に基づく脂質異常の基準は

monkeyTG(中性脂肪):175mg/dL以上
monkeyTC(総コレステロール):190 mg/dL以上
monkeyLDL-C(悪玉コレステロール):115 mg/dL以上
monkeyRLP-C(レムナント様リポタンパクコレステロール)計算値:35 mg/dL以上
monkey非HDL-C計算値:150 mg/dL以上
monkeyHDL-C(善玉コレステロール):40 mg/dL以下
monkeyapoA1:125 mg/dL以下
monkeyapoB:100 mg/dL以上
monkeyLP(a):50mg/dL(80パーセンタイル)以上

とされています。
空腹時と非空腹時で最も差があったTGに関しては、上記の非空腹時基準値
に対応する空腹時試料での基準値は150 mg/dL以上でした。
「TGに関しては、非空腹時のTGが440 mg/dLを超える場合には、空腹時の採血を考慮しても良い」と付け加えられています。

以上の様に患者様のメリットの多い非空腹時採血ですが、これらは欧州の試験を基にしたステートメントであり、そのまま私たち日本人に当てはまるものではございません。
私見ではごあいますが、非空腹時採血は、実臨床では非常に有用であり、欧州の診断基準を日本人当てはめても比較的妥当性があるものではないかと考えております。今後は日本国内での非空腹時採血の有用性に関わるエビデンスが出てくるとに期待したいですね。

投稿者: 新宿トミヒサクロスクリニック

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