新着情報

コラム

大腸カメラは30代から受けるべき?推奨される頻度や受診の目安を紹介

大腸カメラと聞くと、中高年に必要な検査だというイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。

大腸カメラは疾患の早期発見において重要な役割を果たしますが、若いから大丈夫という油断や受診への不安から、敬遠されがちな検査です。

しかし、一般的に大腸カメラが推奨される40代よりも早い段階で発症する疾患もあるため、場合によっては30代からの検査が推奨されます。

この記事では、30代で大腸カメラを受けたほうがいい理由や年齢ごとの推奨頻度、リスクが高い方の特徴などを紹介します。

30代で大腸カメラが推奨される理由

人差し指を立てている医師

大腸カメラは、以下の理由から30代でも受けたほうがよいとされています。

  • 30代でも消化器系の疾患にかかる恐れがあるため
  • 初期の大腸がんが発見される可能性があるため
  • 若いことで油断しやすいため

それぞれ詳しく解説します。

30代でも消化器系の疾患にかかる恐れがあるため

30代の方でも、生活習慣の乱れやストレスなどの要因によって消化器系に異常が生じたり、遺伝性の疾患を発症したりする可能性があります。

特に、加工肉を多く摂取する方や、飲酒・喫煙をしている方は、大腸がんのリスクが高まるとされています。

また、厚生労働省によって難病指定されている潰瘍性大腸炎やクローン病は、若年者に好発しやすい特徴があるため、より注意が必要です。

初期の大腸がんが発見される可能性があるため

大腸がんのリスクは40代から上昇するとされていますが、30代の大腸カメラでは初期の大腸がんが発見される可能性があります。

大腸がんは初期症状がないケースが多く、自覚がない状態で進行しやすい疾患です。

しかし、早期の発見で完治の可能性が高まるため、30代の大腸カメラが有益になる場合もあります。

若いことで油断しやすいため

大腸カメラは40歳から推奨されるケースが多いため、無症状の方は検査を受ける機会がないことで疾患の発見が遅れる場合があります。

例えば、初期は無症状のケースが多い家族性大腸腺腫症(FAP)は、若いうちから大腸に大量のポリープができ、放置するとほぼ確実に大腸がんを発症する遺伝性の疾患です。

加えて、潰瘍性大腸炎やクローン病など若年者の発症リスクが高い疾患もあるため、年齢に関わらずリスクが高い場合は大腸カメラを受けるべきであるといえます。

大腸カメラの年齢ごとの推奨頻度

患者さんに説明している医師

ここからは、大腸カメラの年齢ごとの推奨頻度を紹介します。

症状の有無や家族歴、既往歴によって推奨頻度は異なるため、目安としてご覧ください。

20~30歳

20〜30歳でも、気になる症状やリスク要因がある場合は大腸カメラが推奨されます。

大腸がんのリスクは40代から増加するとされていますが、大腸カメラで発見できる疾患には若年者に多い疾患もあり、それぞれ推奨される頻度が異なります。

例えば、FAPのリスクがある場合は10歳を過ぎた頃から1〜2年に1回、リンチ症候群のリスクがある場合は20〜25歳から1〜2年に1回の頻度での大腸カメラが望ましいです。

また過敏性腸症候群や虚血性腸炎などの疾患において、消化管の不調からくる症状がある場合に、大腸がんによるものではないことを確認するために大腸カメラが必要になる場合があります。

症状があるけれど若いからと油断してした結果、ポリープや炎症性腸疾患を放置してしまうケースもあるため、不安な場合は一度かかりつけのクリニックに相談しましょう。

40歳~

大腸がんのリスクが低い方や、一度も大腸カメラを受けたことがない方は、40歳を目安に1度大腸カメラを受け、その後は3〜5年に1回の頻度で検査することをおすすめします。

40歳は大腸カメラを受けるうえでの1つの基準になり、50代や60代で大腸がんを発症する方には、40代で大腸がんの前段階であるポリープが発見されやすいとされています。

ただし、大きなポリープやがん化のリスクがあるポリープを切除した経験がある方は、1〜2年ごとの検査が目安です。

50歳~

50代になると大腸がんのリスクが急増するとされているため、異常がない場合でも約3年に1回の大腸カメラが推奨されます。

特に、一度も大腸カメラを受けたことがない方は、症状がなくても早めに検査したほうがよい年齢でもあります。

ポリープが認められた場合や、大腸がん・ポリープの家族歴や既往歴がある場合は1〜2年ごとの検査を目安にしましょう。

60歳以上

60歳で一度も大腸カメラを受けたことがない方は早急に検査を受け、その後は約3年に1回の頻度で定期的に確認することをおすすめします。

ただし、過去にポリープや腺腫(前がん病変)を切除した経験がある方は、1〜2年に1回の頻度で大腸カメラを受けるのが望ましいです。

大腸カメラでは下剤の服用や複数回の排便が不可欠であるため、高齢になると体力的な観点から検査が難しくなるケースも懸念されます。

また、大腸がんが見つかった場合の治療や手術においても負担を感じやすくなります。

70歳以上でも大腸カメラを受けられる可能性は十分にありますが、安全のためにも、体調や健康状態を考慮して検査の可否を判断することが大切です。

30代でも大腸カメラを受けたほうがいいのはどんな人?

聴診器を持った医師

以下の特徴がある方は、30代でも大腸カメラが推奨されます。

症状の特徴

以下の症状がある方は、30代でも大腸カメラを受けるのが望ましいです。

  • 下痢と便秘を繰り返している
  • 便が細い、残便感がある
  • 下腹部の張りや違和感がある
  • 粘液便や血便が出る
  • 貧血気味である
  • 急激な体重減少がみられる

若いから大腸がんの心配は少ないという認識があると、単なる胃腸の不調と大腸がんの症状を誤認して対応が遅れる可能性があります。

大腸がんの症状は痔や過敏性腸症候群などの症状と似ており、若年層では特に受診が遅れやすい傾向があります。

しかし、大腸がんは症状が現れた頃には進行しているケースが多いため、この時点で治療しないと5年生存率がさらに低下してしまう恐れがあります。

5年生存率とは、がんの診断を受けた患者が5年後に生存している割合を示す指標です。

大腸がんは、ステージ3からステージ4になると急激に5年生存率が減少するため、症状が出ても諦めず、早めに治療を開始できるように努めましょう。

生活習慣やその他の特徴

以下の特徴がある方は、30代でも大腸がんを発症している可能性があります。

また、以下の生活習慣は大腸がんのリスクを高める要因です。

  • 大腸がんやポリープの家族歴がある
  • 便潜血検査で陽性を指摘された
  • 加工肉や赤身肉をよく食べる
  • 運動不足の傾向がある
  • 食物繊維の摂取量が不足している
  • 排便に時間がかかる
  • 便のにおいが強くなった

これらの特徴に当てはまる方は、30代でも大腸がんにかかりやすい、またはすでに罹患している可能性があるため、一度クリニックに相談することをおすすめします。

また、ポリープや腫瘍が形成されやすい状態を作り出す原因にもなります。

大腸がんになりやすい生活習慣には、明日から改善が目指せるものもあるため、検査の結果で異常がなくても、変えていく意識をもちましょう。

大腸カメラでわかる疾患

大腸カメラ検査をパソコンで見ている医師

以下の疾患は、30代の大腸カメラで発見できる疾患の一例です。

  • 感染性腸炎
  • 潰瘍性大腸炎
  • 大腸ポリープ
  • 大腸がん
  • クローン病
  • 虚血性腸炎
  • 直腸潰瘍
  • 直腸カルチノイド

それぞれの疾患について解説します。

感染性腸炎

感染性腸炎は、細菌やウイルスの感染によって腹痛や下痢、下血などが起こる疾患です。

ロタウイルスは主に乳幼児で症状が出るケースが多いですが、ノロウイルスやカンピロバクター、サルモネラなどが原因の場合は、年齢に関わらず発症する可能性があります。

感染性腸炎は、重症化しなければ自然治癒するケースが多いですが、症状が長引く場合は他の疾患が疑われるため、必要に応じて大腸カメラを行います。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができ、腹痛や下痢などの症状を繰り返す疾患です。

男女ともに20代が好発年齢とされていますが、30代やそれ以上の年齢の方にも発症する可能性があります。

同じく難病指定されているクローン病と症状が似ていますが、治療方法が異なるため、詳しい判別のために大腸カメラが必要です。

大腸ポリープ

大腸ポリープは、大腸の内壁がイボ状やキノコ状に盛り上がって形成される、できものの一種です。

大腸ポリープにはさまざまな種類があり、がん化のリスクが低いものもありますが、大きくなるとがんを含みやすくなるとされています。

そのため、30代でも大腸カメラで発見されたポリープが大きい場合は、良性であっても切除の対象となるケースが多いです。

大腸カメラの際に見落としたポリープが大きくなり、がん化のリスクを伴う可能性も考えられるため、ポリープを切除した経験がある場合は定期的な検査が推奨されます。

大腸がん

大腸がんは、大腸の粘膜に発生する悪性の腫瘍です。

ポリープから移行するケースが多く、ポリープの段階で切除できればがん化を防止できるため、予防には早期発見が重要になります。

20〜30代の大腸がんは進行が早い傾向があり、気付いた時には進行していたという事態が起こる可能性があるため、油断は禁物です。

クローン病

クローン病は、慢性的な炎症や潰瘍が口から肛門に至る消化管のどこにでも発生する可能性がある疾患です。

好発部位は小腸と大腸で、症状としては痔瘻や発熱、体重減少などが挙げられます。

30代でも発症しますが、男性では20代、女性では10代にみられるケースが多く、男女比はおよそ2:1で男性の方が罹患しやすいとされています。

胃カメラや大腸カメラのほか、ケースによっては小腸内視鏡による診断が必要です。

虚血性腸炎

虚血性腸炎は、大腸への血液供給が不足し、炎症を引き起こす疾患です。

主な症状は下痢や血便、突発的な腹痛などで、強い炎症や狭窄を引き起こすと発熱や嘔吐を伴う可能性があります。

高齢者の場合は、高血圧症や糖尿病などによる動脈硬化が原因になりやすいですが、若年層では慢性的な便秘や下剤の乱用などがリスク要因として挙げられます。

直腸潰瘍

直著潰瘍は、直腸の下部(肛門近く)に潰瘍が生じる疾患です。

早期には自覚症状がないケースもあり、進行すると腹痛や排便痛、便の異常などが現れる場合があります。

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患や、感染性腸炎が原因で発症する可能性があるため、年齢に関わらず注意が必要です。

直腸カルチノイド

直腸カルチノイドは、がんと類似する腫瘍が直腸に発生する疾患です。

大きさによって良性・悪性が異なり、リンパ節や肝臓に転移するリスクがあるため、大腸カメラによる早期発見と切除が重要です。

性別による差はあまりなく、およそ30〜60歳という広い年齢でみられます。

大腸がん予防のために意識するべき生活習慣

運動中の人

大腸がんは、遺伝のほかに食事や運動などの生活習慣がリスク要因になるとされています。

  • 加工肉や赤身肉の摂りすぎを控える
  • 食生活を改善する
  • 適度な運動を取り入れる
  • 飲酒や喫煙を控える

大腸カメラは30代のうちから受けることが推奨されますが、30代で大腸がんにならないためには生活習慣の改善が大切です。

加工肉や赤身肉の摂りすぎを控える

加工肉や赤身肉、脂肪を多く含む肉類の摂りすぎは、大腸がんのリスクを増加させるとされています。

ハムやベーコン、ソーセージをはじめ、ジャーキーやコンビーフなどをよく食べる方は特に注意が必要です。

これらの肉類は禁止ではありませんが、鶏肉や魚も取り入れながらできるだけ控える工夫をしましょう。

食生活を改善する

大腸カメラの予防には、カルシウムや食物繊維などの栄養素を積極的に摂取し、規則正しい食生活を意識しましょう。

食物繊維には、腸内環境を整えて便通をよくすることで大腸がんのリスクを低下に導く効果が期待できます。

カロリーの摂りすぎに注意し、乳製品・野菜・発酵食品・きのこ類などをバランスよく取り入れた食事がおすすめです。

適度な運動を取り入れる

運動は大腸がんのリスクを低下に導くため、適度な運動を日課にすることから始めましょう。

ウォーキングやジョギングは始めやすい運動の例ですが、少しの距離であれば歩いて移動したり、階段を意識して使用したりするだけでも有益です。

最初からきつい運動をすると長続きしにくいため、できる範囲で身体を動かす習慣を取り入れることをおすすめします。

飲酒や喫煙を控える

飲酒や喫煙は大腸がんをはじめ、さまざまな疾患やその他のがんのリスクを高める要因になります。

特にタバコに関しては、受動喫煙にも注意が必要です。

それぞれ急にやめるのは難しい場合もあるため、節酒や節煙など、できるところから始めることをおすすめします。

まとめ

大腸カメラの推奨年齢は40代からと言われる場合もありますが、大腸の疾患は30代でも発症する可能性があります。

実際に30代で大腸がんが発見されるケースもあるため、大腸カメラを受けるタイミングや受診頻度については、医師と相談のうえで決定することが大切です。

新宿トミヒサクロスクリニックでは、内視鏡専門医・指導医による苦痛の少ない大腸カメラを提供いたします。

健康診断・人間ドック・がん検診など、各種検査も取り扱っておりますので、症状の有無に関わらず、不安な点はお気軽にご相談ください。

ページトップへ