花粉症の薬:新薬、ビラスチン、ビラノア、蕁麻疹、アレルギー、抗ヒ剤
昨日花粉症の新薬、ビラスチン®ビラノアの発売記念講演会に行ってまいりました。
花粉症の治療薬は、1960年代より抗ヒスタミン薬:H1受容体拮抗薬が主役であり、それは現在も尚変わりません。
その後の、トロンボキサンA2阻害薬、 ロイコトリエン受容体拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬もその効果において抗ヒスタミン薬に取って代わるものではありませんでした。
もちろん抗アレルギー薬の横綱はステロイドですが、副作用が強く、殊花粉症においては、緊急避難的な使用を除いては、デメリットを上回るメリットはございません。
今回お話を聞いたビラスチンは、H1受容体拮抗薬の新薬で、そのスペックを見る限り、非常に有用性の高い抗ヒスタミン薬と思いました。
私が有益性を感じたのは以下の点です。
1日1回投与で、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患に伴う瘙痒に対して、速やかに効果を発現し、その効果が持続する
●スギ花粉暴露で誘発した鼻症状を投与45分後から改善し、その効果が24時間持続
●通年性アレルギー性鼻炎の鼻症状を1日目より改善し、季節性は4週まで、通年性は52週までその効果が持続
●慢性蕁麻疹症状を1日目から改善し、慢性蕁麻疹および皮膚疾患に伴う瘙痒の改善効果を減弱することなく52週まで持続
薬物代謝をほとんど受けずに未変化体のまま尿中(28.3%)および糞中(66.5%)に排泄され、薬物代謝酵素(CYP)の阻害および誘導作用を有さない
副作用が少ない(2.4%)、殊に問題となる眠気は0.6%、口渇は0.3%
自動車運転能に影響を及ぼさない
有益性ばかりをお話ししましたが、患者様へお処方、服薬にあたっては喜ばしくないこともございます
空腹時に服薬しなければなりません:食事の1時間前から食後2時間を避けて内服の必要があります
新薬ですので、1年後の長期処方解禁まで最大処方日数が14日間の制限に制限される
今回ご紹介したビラスチン(商品名:ビラノア)はその効果を期待できる新薬との印象を受けました
患者様のご要望をお聞きして、花粉症を始めとしたベストな抗アレルギー治療を提供してきたいですね
今回ご紹介したビラスチン®ビラノアはMeiji Seika ファルマ株式会社と大鵬薬品工業株式会社の併売品目的です。
薬に関してはより詳細な情報をお求めのマニアックな方は各社ホームページをご覧いただければと存じます。
もっとも信頼できる公式な情報の一つが薬剤の添付文書となりますので、専門的な記載が多いと思いますがご参照されるとよろしかと存じます。