1週間に1度の糖尿病薬:DPP-4阻害薬、ザファテック®(トレラグリプチン)、マリゼブ®(オマリグリプチン)
現在多くの2型糖尿病(一般的な糖尿病)の患者様の多くが内服されている糖尿病薬が
DPP-4阻害薬
です。効果も高く、低血糖も起こしづらい素晴らしいお薬です。
DPP-4阻害薬は、糖の刺激を受けてインスリンの分泌を促す「GLP-1」というホルモンの働きを邪魔するDPP-4という物質を阻害することで、GLP-1の働きを促します。このため、DPP-4阻害薬を単剤投与すれば低血糖になりにくいのです。
でも、DPP-4阻害薬と言ってもピンと来る患者様は多くはないでしょう。
先ずはご自身の内服しているお薬を見てみましょう
DPP-4阻害薬の先発品(ジェネリックではないオリジナルの薬剤)の商品名と一般名(化学物質名)をお示ししますので、ご自身のお薬がこれらのお薬に当てはまるのかどうか確認してみてください。
商品名(一般名)
テネリア®(テネリグリプチン)
トラゼンタ®(リナグリプチン)
ジャヌビア®(シタグリプチン)
グラクティブ®(シタグリプチン)
ネシーナ®(アログリプチン)
オングリザ®(サキサグリプチン)
エクア®(ビルダグリプチン)
スイニー®(アナグリプチン)
どうですか?
皆さんの飲んでいらっしゃるお薬は見当たりましたか?
今回皆さんにお知らせする、ご紹介するお薬は
1週間に1度飲めば済むDPP-4阻害薬
です。
日本国内では2種類のお薬が発売されています。
武田薬品工業株式会社より発売されている
ザファテック®(トレラグリプチン)
MSD株式会社より発売されている
マリゼブ®(オマリグリプチン)
です。
これら二つのお薬はこれまで発売されている毎日内服するDPP-4阻害薬と比較しても効果が劣ることはありません。
週1回投与で良好な血糖コントロールを実現するため、患者様の経済的ご負担の軽減に貢献するとともに、服薬アドヒアランスの向上に寄与することが期待されています。
*服薬アドヒアランス:
患者さんが積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を実施・継続すること
ザファテック®とマリゼブ®の比較ですが、効果を直接比較した試験はありません。しかし臨床試験の段階では、ザファテック®はネシーナ®(アログリプチン)、マリゼブ®はジャヌビア®(シタグリプチン)と、それぞれ効き目に違いはないこと(非劣性)が確認されています。
患者様がお飲みになるお薬を最終的に判断されるのは患者様ご自身です
私共は、患者様のライフスタイル、他の内服薬との兼ね合い、経済的なご負担や、先にも述べた服薬アドヒアランスを考慮し、患者様のベストと思われるお薬をご提案してまいります。
患者様からもご自身のライフスタイルを実践するためのご提案があれば可能な限り治療に反映してまいりたいと考えております。
ザファテックの添付文書はこちら
マリゼブの添付文書はこちら