機能性ディスペプシア(FD)の病態:機能性消化管障害(FGID)、Rome IV、ヘリコバクター・ピロリ感染、内視鏡、胃カメラ、アコチアミド、アコファイド®
これまで機能性消化管障害(FGID)の1病態である機能性ディスペプシアの病態を分類/評価する基準はRome IIIでしたが、
この度その改訂版であるRome IVが2016年5月に刊行されました
現在では非常に身近な病気となった機能性ディスペプシア(FD)について、Romr IVの観点から、多少専門的なお話になるのですが、ご紹介させていただきます
病型分類
A 食道障害
B 胃・十二指腸障害
C 腸障害
D 消化管由来腹痛の中枢介在性障害
E 胆嚢・乳頭括約筋障害
F 直腸・肛門障害
G 新生児および乳幼児の消化管障害
H 小児・青年期の消化管障害
機能性ディスペプシアはB 胃・十二指腸障害に分類されます
Rome IVにおける機能性ディスペプシアの定義
胃・十二指腸領域に起因すると考えられる以下の症状のうち1つ以上がある
①つらいと感じる食後のもたれ感
②つらいと感じる早期飽満感
③つらいと感じる心窩部痛
④つらいと感じる心窩部灼熱感
今回の改訂ではこの「つらいと感じる」という文言が肝のようですね
かつ
症状を説明しうる器質的疾患がない
少なくとも6ヶ月以上前に始まり、直近の3ヶ月間に上記症状がある
上記定義を基に、機能性ディスペプシアはさらに2つの病態に分類されます
食後愁訴症候群(PDS)
①②のうち少なくとも週に3日、1つか2つをみみたす
心窩部痛症候群(EPS)
③④のうち少なくとも週に1日1つか2つをみたす
とされています
またヘリコバクター・ピロリ(Hp)感染に関しては別途記載があり
「ヘリコバクター・ピロリ陽性でディスペプシア症状がある場合、除菌後6〜12ヶ月経過して症状が消失または改善した場合はヘリコバクター・ピロリ関連ディスペプシア(HpD)である」
とされています
腹部愁訴を有する多くの患者様んが機能性ディスペプシアの可能性がございます。まずは確実な診断が必要になります。
内視鏡検査は診断の上で必須であり、当院では症例経験豊富な消化器内視鏡専門医の医師が責任を持って検査にあたります。
お腹がおかしいな、と思ったら先ずはご相談ください。
機能性ディスペプシアには効果的な治療薬がございます。
アコチアミド(アコファイド®)というお薬です。
この薬に関しましては機会を改めてお話しさせていただきます。