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肝硬変の症状は?原因・検査・治療方法について解説

肝硬変は、肝臓に慢性的なダメージが加わることで起こる病気です。

初期段階では、ほとんど自覚症状がないことも多く、気付かないうちに進行してしまうケースも少なくありません。

しかし、病状が進むにつれて皮膚やお腹、手足など、体のさまざまな部分に変化が現れるようになります。

こうした症状は肝臓の働きが低下しているサインでもあるため、早めに気付くことが大切です。

この記事では、肝硬変の症状について詳しく解説します。

原因・検査・治療方法などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

肝硬変ってどんな病気?

両手を広げた人の身体。肝臓部分が光っている

肝硬変は、肝臓が長期間ダメージを受け続けた結果、正常な組織が線維化して硬くなり、機能が低下していく病気です。

肝臓はもともと再生力が高い臓器ですが、炎症が何度も繰り返されると修復が追い付かなくなります。

その過程で肝臓細胞が損傷して線維化し、肝臓の中に壁のような構造ができてしまいます。

この状態が進むと肝臓全体が硬くなり、正常に機能しなくなってしまうのです。

ここでは肝硬変の種類と、進行すると起こる症状などについて解説します。

代償性肝硬変と非代償性肝硬変の2種類

肝硬変は、病気の進行度によって『代償性肝硬変』と『非代償性肝硬変』の2種類に分けられます。

代償性肝硬変は比較的初期の段階で、傷ついた肝細胞はあるものの、残っている肝細胞が働きを補っている状態です。

そのため、日常生活で強い不調を感じないことも多く、血液検査などで初めて異常に気付く場合もあります。

一方、非代償性肝硬変は、肝臓の機能低下がはっきり現れている状態です。

黄疸や腹水・浮腫(むくみ)などの症状が見られることがあり、日常生活にも影響を及ぼします。

放置すると肝不全や肝がんへと進行する恐れがあるため、適切な治療が必要です。

肝硬変が進行するとどうなるか

肝硬変が進行すると、肝機能低下による黄疸や腹水・浮腫、肝臓がん、肝性脳症などの合併症を引き起こすことがあります。

肝硬変は、以前は治療が困難な病気として認知されていましたが、現在は医療の進歩により、進行が抑えられるケースも増えてきました。

原因となる病気の治療や生活習慣の見直しによって、進行を緩やかにできる可能性があるため、医療機関での定期診断や適切な治療を受けることが大切です。

肝硬変の原因

手のひらの上に肝臓をイメージしたイラストが乗っている様子

肝硬変の主な原因として、以下が挙げられます。

  • ウイルス性肝炎
  • アルコール性肝疾患
  • 非アルコール性脂肪性肝疾患
  • 自己免疫性肝疾患
  • 薬物・有害物質の摂取

ここでは上記5つの原因についてそれぞれ解説します。

ウイルス性肝炎

ウイルス性肝炎によって肝臓が慢性的にダメージを受けると、肝硬変の原因になることがあります。

特にB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに長期間感染すると、肝臓に慢性的な炎症が続き、慢性肝炎から肝硬変へと移行することがあるのです。

これらのウイルス性肝炎は初期段階では自覚症状がほとんどないため、感染に気付かないまま進行するケースも少なくありません。

ウイルスの増殖を抑えたり、排除したりすることで肝臓の炎症を抑え、肝硬変への進行を抑えられる場合もあります。

アルコール性肝疾患

アルコール性肝疾患は、長期間にわたる多量の飲酒が原因で起こります。

アルコールは肝臓で分解されますが、その過程で生じる『アセトアルデヒド』という物質が肝細胞に負担をかけます。

飲酒量や期間が長くなるほど肝臓へのダメージが蓄積し、脂肪肝や肝炎を経て、肝硬変へと進行することがあるのです。

毎日お酒を飲む習慣がある方や、一度に大量にお酒を飲むことが多い方は注意が必要です。

初期にはほとんど症状が出ませんが、進行すると倦怠感や食欲不振、お腹の張りなどが現れ、肝硬変に進んでしまう場合があります。

非アルコール性脂肪性肝疾患

非アルコール性脂肪性肝疾患は、お酒をほとんど飲まない方でも発症する肝臓の病気です。

肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病と深く関係しており、脂肪肝から肝硬変に進行するケースが多く見られます。

原因となる生活習慣病の治療や食事・運動習慣の見直しなどが主な治療方法です。

早い段階から対策を行うことで、重症化を防げる可能性があります。

自己免疫性肝疾患

自己免疫性肝疾患は、本来体を守るはずの免疫が自分自身の肝臓を攻撃してしまうことで起こる病気です。

代表的なものとして、自己免疫性肝炎や原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎などが挙げられます。

原因は完全には解明されていませんが、免疫に関係する遺伝子が関わっていると考えられています。

治療は基本的に薬物療法が中心となりますが、薬を自己判断で中止すると病状が進行して肝硬変に至ることがあるため、継続することが大切です。

薬物・有害物質の摂取

薬物や有害物質の摂取によって肝臓に負担がかかり、肝硬変へ進行するケースもあります。

医師から処方された薬だけでなく、市販薬や健康食品、サプリメントが原因となることもあります。

体質に合わない薬を使い続けたり、長期間にわたって複数の薬を服用したりすると、肝臓がダメージを受けることがあるのです。

症状はだるさや食欲低下などが多く、はっきりした不調が出ない場合もあります。

肝機能の異常を指摘された際は、服用している薬について医師に相談することが大切です。

肝硬変の症状

手のひらの上の肝臓の模型

肝硬変の初期段階ではだるさや疲労感、食欲不振といった症状が兆候として現れますが、進行すると以下のような症状が現れ始めます。

  • 黄疸
  • 腹水・浮腫
  • クモ状血管腫
  • 手掌紅斑
  • 女性化乳房
  • 羽ばたき振戦
  • 出血傾向
  • こむらがえり
  • 食道静脈瘤
  • 肝性脳症

ここでは上記の症状についてそれぞれ解説します。

黄疸

肝臓の働きが低下すると、皮膚や白目が黄色くなります。

これは、血液中のビリルビンという黄色い色素が増えることが原因です。

ビリルビンは古くなった赤血球が破壊された際に生じるもので、本来は肝臓で処理されて体の外へ排出されます。

しかし、肝硬変によって肝臓の処理能力が落ちると、ビリルビンが体内にたまり、黄疸として現れるのです。

黄疸は肝機能低下を示すサインの一つのため、皮膚や白目が黄色くなったら早めに医療機関へ相談することが大切です。

腹水・浮腫

肝臓の機能が低下すると、血液中のアルブミンというたんぱく質が十分に作られなくなります。

アルブミンには血管内の水分を保持する働きがあるため、量が減ると水分が血管の外へ漏れやすくなります。

その結果、お腹の中に水がたまる腹水や、足や手がむくむ浮腫が起こるのです。

腹水が少ないうちは下腹部の張りとして感じることが多いですが、量が増えるとお腹全体が膨らみ、息苦しさや食欲低下につながることもあります。

クモ状血管腫

クモ状血管腫は、皮膚の表面に赤い点と細い血管が放射状に広がる症状です。

主に顔や首、胸、腕などに現れやすく、大きさは数ミリ程度のことが多いです。

痛みやかゆみはほとんどなく、生活に直接支障をきたすことは少ないため、通常であればクモ状血管腫自体の治療の必要はありません。

ただし、肝臓の状態が悪化しているサインの一つのため、数が増えたり、急に目立つようになったりした場合は、医師に相談しましょう。

手掌紅斑

手掌紅斑は、手のひらの親指や小指の付け根に赤い斑点が現れる症状です。

両手に現れることが多く、押すと一時的に赤みが消え、離すと再び赤くなるのが特徴です。

痛みやかゆみを伴わないため、見た目の変化として気付くケースがほとんどでしょう。

手のひら全体が真っ赤になることは少なく、特定の部位のみ赤くなります。

症状に気付いたら早めに受診することが大切です。

女性化乳房

女性化乳房は男性に見られる症状で、乳房や乳首が大きくなります。

肝臓は女性ホルモンの一種であるエストロゲンを分解する役割を持っていますが、肝硬変によってその機能が低下すると、エストロゲンが体内にたまりやすくなります。

その影響で乳腺が発達し、見た目が女性の乳房のようになることがあるのです。

肝硬変がある程度進行している可能性を示す症状の一つのため、放置せずに医療機関で相談しましょう。

羽ばたき振戦

羽ばたき振戦は、自分の意思とは関係なく手や指が小刻みに震える症状です。

肝硬変によって肝臓の機能が低下すると、アンモニアなどの有害な物質が体内にたまりやすくなります。

これらが脳に影響を与えることで、筋肉や神経のコントロールがうまくいかなくなり、羽ばたき振戦が起こると考えられています。

羽ばたき振戦は肝性脳症のサインとして見られることもあるため、放置せず早めに医療機関で相談することが大切です。

出血傾向

肝硬変になると、出血傾向が見られます。

肝臓は、血液を固めるために必要な成分を作る役割を担っていますが、肝機能が低下するとこれらの成分が十分に作られなくなります。

その結果、鼻血が出やすくなったり、歯ぐきから血が出やすくなったりすることがあるのです。

また、ちょっとした打撲でも青あざができやすくなる場合もあります。

出血が起きても血が止まりにくい状態になることがあるため、日常生活でも注意が必要です。

こむらがえり

こむらがえりは、ふくらはぎなどの筋肉が急に強く収縮し、痛みを伴う症状です。

原因としては、体内のナトリウムやカリウムのバランスが乱れることや、アルブミンの減少による血液の状態変化、アミノ酸の代謝異常などが関係していると考えられています。

頻繁にこむらがえりが起こると、睡眠の質が低下し、日常生活に影響が出ることもあります。

水分補給や食事の改善が予防につながる場合もあるため、医師と相談しながら対策を考えるとよいでしょう。

食道静脈瘤

食道静脈瘤は、食道内に静脈瘤が生じるものです。

肝臓が硬くなることで血液の流れが悪くなり、肝臓に血液を送る血管の圧力が高くなります。

行き場を失った血液が食道の静脈に流れ込み、血管がこぶのようにふくらむことで食道静脈瘤ができます。

できているだけでは自覚症状はほとんどありませんが、破れると大量出血を起こすことがあるため注意が必要です。

黒い便が出る場合、静脈瘤破裂の前兆の可能性が高いため、早急な対応が必要となります。

肝性脳症

肝性脳症は、肝臓で処理されるはずの有害物質が体内にたまり、脳に影響を及ぼすことで起こる症状です。

軽度〜中等度では、睡眠リズムの乱れや集中力の低下、羽ばたき振戦などの症状が現れることがあります。

重度になると、昏睡に至ることもあります。

症状の現れ方には個人差がありますが、初期段階では自覚症状がないことも少なくありません。

肝性脳症は早めの治療が重要なため、異変を感じたらすぐに受診することが大切です。

肝硬変の診断・検査方法

血液検査の表と採血管

肝硬変は、初期段階では自覚症状が出にくいため、検査による早期発見が重要です。

主な検査方法は以下の通りです。

検査方法 検査内容
血液検査 肝臓のダメージ具合や生成される物質の低下の有無、肝臓の分解・解毒機能などを調べる検査項目があり、重症度を見るための目安となる
超音波検査 肝臓の形や大きさ、腫瘍・腹水の有無などを確認する検査
CT検査 肝臓の形や大きさ、腫瘍の有無などを見る検査で、肝硬変で発達しやすい異常血管の存在も確認できる
MRI検査 肝臓の線維化や再生結節の有無、血流、肝臓の形や大きさなどを確認する検査
肝生検 肝臓の組織を採取し、肝硬変かどうかを診断する検査

上記のように複数の検査結果をもとに肝臓の状態を正確に確認したうえで、総合的に診断します。

肝硬変の治療方法

薬を出している手元

肝硬変の治療は、肝臓の状態や進行度、合併症によって変わります。

肝硬変そのものをもとの状態に戻すことは難しいですが、適切な治療を行うことで、進行を抑えたり生活の質を維持したりすることが可能です。

主な治療方法は以下の3つです。

薬物療法 肝臓の炎症を抑える薬、腹水や浮腫を改善する薬など、症状や原因に適した薬を使用する
食事療法 代償性肝硬変ではバランスの良い食事を心がけ、非代償性肝硬変では病状に応じた食事を取り入れる
生活習慣の改善 禁酒を基本として、十分な睡眠やストレス管理を心がけ、肝臓への負担を減らす

肝硬変の進行を防ぐためには、上記の治療を継続することが大切です。

症状によっては、外科的治療が検討される場合もあります。

まとめ

肝硬変の症状は、病気の進行度によって現れ方が大きく異なります。

初期にはほとんど症状が出ない場合もありますが、進行すると黄疸や腹水・浮腫、クモ状血管腫、羽ばたき振戦、出血傾向などの症状が現れる場合があります。

症状の中には日常生活の中で気付きやすいものもあるため、違和感を覚えた場合は放置せず、医療機関で相談することが大切です。

新宿トミヒサクロスクリニックでは、日本肝臓学会専門医が肝臓疾患の診療を行っています。

専門性の高い検査・診断・治療を行っているため、肝硬変の疑いがある方はぜひ当院までご相談ください。

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