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肝硬変の予防方法は?日常生活の注意点について解説

肝硬変は、肝臓に長期間負担がかかることで進行する病気です。

初期には自覚症状が出にくいため、気づいたときにはすでに進行してしまっているケースも少なくありません。

しかし、日々の生活習慣を見直すことで、肝硬変の発症や進行を抑えられる可能性があります。

この記事では、肝硬変の予防方法について詳しく解説します。

肝硬変の症状もまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

肝硬変とは

肝臓の模型と医師

肝硬変は、肝臓が長い時間をかけてダメージを受け続けることで、組織が硬くなり、機能が低下してしまう病気です。

肝臓は再生能力のある臓器ですが、ダメージが蓄積すると修復が追いつかなくなり、少しずつ元の状態に戻りにくくなります。

そして壊れた細胞を治そうとする過程で、線維と呼ばれる硬い組織が増えていき、最終的にはそれが肝臓全体まで広がって血液の流れも悪くなります。

その結果、肝臓の働きが十分に発揮できなくなり、体にさまざまな影響が出るのです。

本来、肝臓には以下のような働きがあります。

  • 体内の代謝・排泄・貯蔵
  • 血液中の栄養素やホルモンバランスの調整
  • 有害物質の解毒
  • 血液の凝固因子の産生

肝硬変が起こると上記のような働きが正常に行えなくなり、次第に倦怠感や食欲低下などの不調が現れます。

さらに進行すると、黄疸や腹水・浮腫、食欲不振といった症状が現れることもあります。

肝硬変は初期段階では自覚症状が少ない場合も多いため、定期的に検査を受けて肝臓の状態を確認することが大切です。

肝硬変の予防方法

栄養バランスの整った食事

肝硬変は、長い時間をかけて肝臓に負担が積み重なることで進行する病気です。

そのため、日々の生活習慣を見直すことが予防につながります。

肝硬変の基本的な予防方法は以下の通りです。

  • アルコールをなるべく控える
  • 栄養バランスの整った食事を摂る
  • ストレスをため込まない
  • 便秘を予防する
  • 適度に運動する
  • 定期検診を受診する

ここでは上記6つの予防方法についてそれぞれ解説します。

アルコールをなるべく控える

肝硬変を予防するためには、アルコールをなるべく控えることが大切です。

アルコールは肝臓で分解されるため、飲酒量が多いほど肝臓に負担がかかります。

飲酒の習慣が続くと、肝臓は休む時間が取れず、炎症が起こりやすくなります。

これが長期間続くと、肝硬変へと進行する原因になるため注意が必要です。

肝臓に異常を指摘されたことがある方や、肝臓の病気を経験した方は、基本的に飲酒を控える必要があるでしょう。

自分では「少量」と思っていても、体質や肝臓の状態によっては負担になることがあります。

また、完全にやめるのが難しい場合でも、飲む回数を減らしたり、肝臓を休ませる日を意識的につくったりすることで、予防につながるでしょう。

厚生労働省によれば「1日平均で純アルコール20g」程度が、節度ある適度な飲酒量とされています。

以下は、お酒の種類ごとの純アルコール量の目安量です。

お酒の種類 ビール
(中ビン1本500ml)
清酒
(1合180ml)
ウイスキー・ブランデー
(ダブル60ml)
焼酎(35度)
(1合180ml)
ワイン
(1杯120ml)
アルコール度数 5% 15% 43% 35% 12%
純アルコール量 20g 22g 20g 50g 12g

(出典:厚生労働省

飲酒習慣を見直し、肝臓への負担を軽くしましょう。

栄養バランスの整った食事を摂る

肝臓の働きを保つためには、栄養バランスの整った食事を摂ることも大切です。

バランスの偏った食事が続くと、肝臓に必要な栄養が不足したり、脂肪が溜まりやすくなったりします。

その結果、肝臓の機能が落ち、肝硬変のリスクが高まることがあります。

肝硬変を予防するためには、主食・主菜・副菜がそろった食事を心がけましょう。

ごはんやパンなどの主食、肉や魚、大豆製品などの主菜、野菜を中心とした副菜を組み合わせることで、自然と栄養の偏りを防げます。

ただし、すでに肝臓の機能が低下している場合は、食事内容に注意が必要なこともあります。

自己判断で制限するのではなく、医師や管理栄養士の指示に従いながら、自分に合った食事を続けることが大切です。

ストレスをため込まない

肝硬変を予防するためには、ストレスをため込まないことも大切です。

強いストレスが続くと、飲み過ぎや食べ過ぎ、睡眠不足につながりやすくなり、結果として肝臓に負担がかかることがあります。

日常生活でストレスをゼロにすることは難しいですが、ため込まない工夫をすることは可能です。

例えば、短時間でもリラックスできる時間をつくったり、趣味や軽い運動で気分転換をしたりすることで、ストレスが溜まりにくくなるでしょう。

また、疲れや不調を感じたときは無理をせず、休息を取ることも重要です。

便秘を予防する

便秘を予防することも、肝硬変の予防につながります。

便秘が続くと、血液中のアンモニアが増えやすくなります。

アンモニアは本来、肝臓で処理される物質ですが、量が増えると処理が追いつかなくなり、体調不良につながることがあるため注意が必要です。

そのため、毎日スムーズに排便される状態を維持するのが理想です。

便秘を予防するためには、野菜や海藻、果物などから食物繊維を摂ると良いでしょう。

また、こまめな水分補給や消化のよい食事を心がけることも大切です。

少しやわらかめの便が毎日出る状態を目指すと、肝臓への負担を減らしやすくなります。

適度に運動する

適度な運動は、肝硬変の予防においても重要な習慣です。

体を動かすことで、肥満や筋肉の衰えの予防につながります。

運動量の目安としては、軽く汗ばむ程度の運動を1日30分ほど続けることです。

散歩やゆっくりしたウォーキングなど、無理のない運動から始めると継続しやすくなります。

また、運動は気分転換にもなり、ストレス軽減の効果も期待できます。

ただし、すでに肝臓の状態が悪化している場合や、体調に不安がある場合は注意が必要です。

自己判断で運動量を増やすのではなく、医師の指示に従って行いましょう。

定期検診を受診する

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、異常があっても自覚症状が出にくい特徴があります。

そのため、症状がないからといって安心せず、定期検診を受けることが大切です。

定期的に肝臓の健康状態を確認することで、生活習慣の見直しや早期発見・早期治療につなげやすくなります。

また、肝硬変の原因の一つとされる肝炎ウイルスの有無を調べる機会にもなります。

頻度は医師に相談し、定期的に受診するようにしましょう。

肝硬変の症状

肝臓の模型を持っている人

肝硬変は進行具合によって『代償性肝硬変』と『非代償性肝硬変』の2つに分けられ、肝臓の機能がどこまで保たれているかによって現れる症状が変わります。

ここではこの2つの症状についてそれぞれ解説します。

代償性肝硬変の症状

代償性肝硬変は、肝臓の働きがまだ保たれている状態です。

この段階では、肝臓の一部が傷ついていても、残りの部分が機能を保っているため、はっきりとした症状が出にくい傾向にあります。

そのため、本人が病気に気づかないまま日常生活を送っているケースも少なくありません。

ただし、人によっては疲れやすさや体のだるさを感じたり、食欲が落ちたりすることがあります。

これらの症状は、風邪や疲れのせいだと思われやすく、見過ごされがちです。

その結果、検査を受ける機会がなく、気づいたときには病気が進行している場合もあります。

代償性肝硬変の段階で異常を見つけられれば、生活習慣の見直しや治療によって進行を抑えられる可能性があります。

そのため症状が軽くても、健康診断で肝臓の数値を指摘された場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

非代償性肝硬変の症状

非代償性肝硬変は、肝臓の働きが十分に保てなくなった状態です。

この段階になると、日常生活にも影響が出やすくなり、体調の変化を自覚する人が増えてきます。

代表的な症状として、以下のようなものが挙げられます。

  • 黄疸
  • 腹水
  • 食欲不振・体重減少
  • 手掌紅斑
  • 女性化乳房
  • クモ状血管腫
  • 羽ばたき振戦
  • 出血傾向

症状の出方や程度には個人差がありますが、複数の症状が同時に現れることも珍しくありません。

非代償性肝硬変まで進行すると、体への負担が大きくなります。

そのため、自己判断で様子を見るのではなく、医師の管理のもとで治療や生活指導を受けることが大切です。

黄疸

黄疸は、肝硬変が進行したときに見られやすい症状の一つで、皮膚や白目の部分が黄色くなります。

これは、血液中にあるビリルビンという黄色い色素が体内に溜まりやすくなるためです。

通常、ビリルビンは肝臓で処理され、胆汁として体の外に排出されます。

しかし、肝臓の働きが弱くなると、この処理が十分に行えなくなり、血液中にビリルビンが増えてしまいます。

その結果、皮膚や白目が黄色く染まってしまうのです。

黄疸が出ている場合、尿の色が濃くなることもあります。

比較的分かりやすい変化であるため、気づいたら早めに医療機関へ相談することが大切です。

腹水

腹水は、お腹の中に水分が溜まる症状です。

肝硬変によって肝臓の機能が低下すると、血液の流れが滞ったり、血管内の水分を保持する成分(アルブミン)が減少したりします。

その結果、水分が血管の外にしみ出し、お腹に溜まったり、全身がむくんだりすることがあるのです。

腹水が増えると、お腹が張った感じが強くなり、座ったり横になったりするのがつらくなることがあります。

また、胃が圧迫されることで食事量が減ったり、息苦しさを感じたりする場合もあります。

急にお腹が膨らんできたと感じた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

食欲不振・体重減少

肝硬変が進行すると、食欲不振や体重減少が起こりやすくなります。

肝機能が低下することで、肝臓本来の機能である栄養の代謝や吸収がうまくいかなくなるために起こる症状です。

さらに、腹水が溜まることで胃が圧迫され、少量の食事でも満腹感を覚えやすくなります。

そのため、自然と食事量が減り、体重が落ちていくことがあります。

栄養不足が続くと、筋肉量が減り、体力の低下につながることもあるため注意が必要です。

食事の内容や回数を工夫することが重要になるため、医師や管理栄養士の指導を受けながら調整するのが望ましいでしょう。

手掌紅斑

手掌紅斑は、手のひらの親指や小指の付け根に紅斑が出る症状です。

肝臓の機能低下によって、毛細血管が広がることで現れると考えられています。

赤みは左右対称に出ることが多く、手のひら全体が赤くなることはあまりありません。

この赤みは、押すと一時的に消え、離すと再び赤くなるのが特徴です。

痛みやかゆみを伴わないため、本人は気づきにくい場合もありますが、肝臓の不調を示すサインの一つです。

女性化乳房

女性化乳房は、主に男性に見られる症状です。

肝臓の働きが低下すると、体内にわずかに存在する女性ホルモンの分解が進みにくくなります。

その結果、女性ホルモンの影響が強まり、乳腺が発達して乳房や乳首が大きくなります。

気になる変化があれば、早めに医療機関で相談しましょう。

クモ状血管腫

クモ状血管腫は、皮膚の表面に赤い点を中心として、細い血管が放射状に広がる症状です。

肝臓の機能低下に伴い、毛細血管が拡張することで起こります。

主に顔や首、胸、腕などに現れやすく、直径は数ミリ程度のことが多いです。

通常、痛みやかゆみはありませんが、数が増えたり目立つ場所に出たりすると気づきやすくなります。

基本的に治療の必要はありませんが、肝臓の機能低下を示す重要なサインのため、気づいたら医療機関で相談しましょう。

羽ばたき振戦

羽ばたき振戦は、自分の意思とは関係なく手や指が震える症状です。

両腕を前に出し、手のひらを下に向けた状態から反らそうとすると、手の力がうまく保てず、筋肉が意志に反して力が抜ける動きを繰り返します。

その様子が鳥の羽ばたきに似ていることから、この名前がついています。

羽ばたき振戦が見られる場合、肝臓の状態が悪化している可能性があるため、早めに受診することが大切です。

出血傾向

出血傾向は、肝硬変が進行した際に注意したい症状の一つです。

肝臓は、血液を固めるために必要な成分を作っていますが、機能が低下するとその産生が十分に行えなくなります。

その結果、血が止まりにくくなり、出血しやすくなるのです。

具体的には、鼻血が出やすくなったり、歯ぐきからの出血が増えたり、軽い打撲でもあざができやすくなったりします。

こうした変化に気づいた場合は、自己判断せず、医療機関で肝臓の健康状態を確認することが大切です。

まとめ

肝硬変を予防するためには、日々の生活習慣を見直すことが大切です。

アルコールを控え、栄養バランスの整った食事を心がけることで、肝臓への負担を減らしやすくなります。

また、肝臓は症状が出にくい臓器のため、定期的に健康診断を受け、異常が見つかったら早めに対策を取るようにしましょう。

新宿トミヒサクロスクリニックでは、日本肝臓学会専門医による肝臓疾患の診療を行っています。

専門性の高い検査・診断を行っておりますので、肝臓の健康状態が気になる方は、ぜひ当院までご相談ください。

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