生活習慣病の種類|放置したときの影響や予防方法も解説
生活習慣病は食事や運動、喫煙、飲酒など、毎日の生活の積み重ねが発症や進行に関わる病気の総称です。
糖尿病や高血圧症といった身近な病気だけでなく、心臓・脳・肝臓・腎臓の病気、歯周病なども生活習慣病に含まれます。
初期に自覚症状が出にくく、気づかないうちに進行する点が特徴です。
この記事では、生活習慣病の種類を解説します。
それぞれの病気の特徴や放置するリスク、予防するためのポイントなどもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
生活習慣病とは

生活習慣病とは、毎日の生活習慣が発症や進行に関わる病気の総称です。
食習慣や運動習慣、喫煙、飲酒など、日常的な行動の積み重ねが体に影響を与え、長い時間をかけて病気につながることがあります。
生活習慣病にはがんや心臓の病気、脳の病気など、命や生活の質に大きく関わる疾患が含まれます。
以前は、年齢を重ねた大人に多いことから「成人病」と呼ばれていました。
しかし、生活環境の変化により、若い年齢でも発症するケースが見られるようになり、現在では生活習慣病という呼び方が使われています。
主な生活習慣病の種類一覧

主な生活習慣病の種類として、以下が挙げられます。
- がん(悪性新生物)
- 糖尿病
- 高血圧症
- 脂質異常症
- 虚血性心疾患
- 高尿酸血症
- 脳血管障害
- 慢性気管支炎
- 肝硬変
- 脂肪肝
- 慢性腎不全
- 肥満
- 歯周病
ここでは上記の生活習慣病についてそれぞれ解説します。
がん(悪性新生物)
がんは、体の中で異常な細胞が増え続け、かたまりとなって広がっていく病気です。
発生する場所によって、肺がん・胃がん・大腸がん・肝臓がんなど、さまざまな種類があります。
がんはさまざまな要因によって発生しますが、喫煙や飲酒、食生活の乱れ、運動不足などの生活習慣が発症や進行に深い関連性があるとされています。
特に、大腸がんと肺がんは生活習慣の影響を大きく受けるがんです。
がんを完全に防ぐ方法はまだ見つかっていません。
バランスの取れた食事や適度な運動、禁煙などを心がけることで、予防につながる可能性があります。
糖尿病
糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度が高くなりすぎてしまう病気です。
これは、血糖値を下げる働きを持つインスリンというホルモンの量が足りなかったり、うまく働かなかったりすることが主な原因です。
初期ではほとんど自覚症状がないことも多く、健康診断で指摘されて初めて気づく人もいます。
しかし、血糖値の高い状態が長く続くと、血管に負担がかかりやすくなります。
その結果、目や腎臓、神経に影響が出る合併症が起こり、日常生活に支障をきたす場合もあります。
また、心臓や脳の病気につながる可能性もあるため注意が必要です。
高血圧症
高血圧症とは、血圧が高い状態が続く病気です。
一度だけ血圧が高く出た場合ではなく、何度測っても基準より高い状態が続くと、高血圧症と診断されます。
血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり、動脈硬化が進みやすくなるため注意が必要です。
心臓や脳、腎臓などに影響が出る可能性もあります。
原因としては、食塩の過剰摂取が挙げられ、外食や加工食品が多い食生活も発症に影響します。
その他、肥満やストレス、運動不足などの生活習慣も原因になるため注意が必要です。
脂質異常症
脂質異常症は、血液中の脂質の値が基準から外れている状態です。
具体的には、悪玉コレステロールと呼ばれる『LDLコレステロール』やトリグリセライド(中性脂肪)が多すぎる、または善玉コレステロールと呼ばれる『HDLコレステロール』が少なすぎるなどが挙げられます。
放置すると、動脈硬化が進み、心臓や脳の血管に関わる病気につながる可能性があります。
特に内臓脂肪が多い肥満体型で起こりやすい傾向があるため、当てはまる方は注意が必要です。
虚血性心疾患
虚血性心疾患とは、心臓に血液を送る血管の流れが悪くなり、心臓の筋肉に十分な酸素が届かなくなる病気です。
代表的なものに、狭心症や心筋梗塞があります。
動脈硬化が進む背景には、喫煙習慣や高血圧、脂質異常症、肥満などが関係していると考えられています。
特に喫煙は血管に負担をかけやすく、心臓の病気のリスクを高める要因の一つです。
日頃から血圧やコレステロールの管理を意識し、生活習慣を整えることが予防につながるでしょう。
高尿酸血症
高尿酸血症は、血液中の尿酸の値が高い状態が続く病気です。
尿酸が体内に多くなると、関節に溜まって強い痛みを起こす痛風の原因になることがあります。
また、腎臓に負担がかかり、尿路結石や腎障害につながる場合もあります。
さらに、高尿酸血症のある人は、肥満や高血圧、脂質異常症などを同時に抱えていることも少なくありません。
そのため、心臓や脳の病気のリスクが高まる点にも注意が必要です。
脳血管障害
脳血管障害は、脳の血管に異常が起こり、脳の細胞がダメージを受ける病気の総称です。
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などが含まれ、まとめて脳卒中と呼ばれることもあります。
これらは突然発症することが多く、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。
脳血管障害の大きな原因の一つが高血圧です。血圧が高い状態が続くと血管に負担がかかり、動脈硬化が進みやすくなります。
その結果、血管が詰まったり、破れたりするリスクが高まるのです。
また、喫煙や運動不足、過度な飲酒、強いストレスなども発症の引き金になることがあります。
慢性気管支炎
慢性気管支炎は、気管や気管支で炎症が続き、長期間にわたって咳やたんが出る状態が続く病気です。
症状が進むと、息を吐きにくくなり、日常生活で息切れを起こすこともあります。
慢性気管支炎の主な原因は喫煙です。
長年の喫煙習慣によって気道が刺激され、炎症が起こりやすくなります。
また、自分が吸わなくても、周囲のたばこの煙を吸い続けること(受動喫煙)も影響する場合があり、注意が必要です。
最近では、肺の炎症性疾患を総称して『慢性閉塞性肺疾患(COPD)』と呼ぶこともあります。
肝硬変
肝硬変は、肝臓にダメージが蓄積し続けることで、肝臓全体が硬く変化してしまう病気です。
肝臓は栄養の代謝や解毒など、体にとって重要な役割を担っていますが、ダメージが重なることで本来の働きが低下していきます。
主な原因としては、ウイルス性肝炎や長期間にわたる多量の飲酒などが挙げられます。
初期の段階では、ほとんど症状が出ないことも珍しくありません。
しかし、進行すると、お腹に水がたまる、皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)、吐血するといった症状が現れることがあります。
肝硬変は、脂肪肝から進行して起こる場合もあるため、日頃の飲酒量を見直し、肝臓に負担をかけない生活を意識することが大切です。
脂肪肝
脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が過剰に溜まった状態です。
本来、肝臓にはエネルギーを蓄える働きがありますが、食べすぎや飲みすぎが続くと脂肪が処理しきれず、肝臓に溜まってしまいます。
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を合併しているケースが多いです。
主な原因は食べすぎや飲みすぎですが、糖尿病やステロイド剤などによる代謝異常が影響している場合もあります。
脂肪肝は自覚症状がほとんどなく、健康診断で指摘されて初めて気づく人も少なくありません。
しかし、そのまま放置すると、肝臓の炎症が進み、肝硬変につながる可能性もあります。
近年では、アルコールをあまり飲まない人でも、食事の偏りや運動不足が原因で脂肪肝になるケースが増えているため注意が必要です。
慢性腎不全
慢性腎不全は、腎臓の機能が長期間にわたって少しずつ低下していく病気の総称です。
具体的には、糖尿病腎症・慢性糸球体腎炎・腎硬化症などが挙げられます。
腎臓は、血液をろ過して老廃物を尿として体外に出す重要な臓器ですが、その機能が弱まると体に不要なものが溜まりやすくなります。
主な症状は、尿量の変化や尿毒症、むくみ、高血圧、貧血などです。
尿毒症は腎臓の働きが低下することで全身のさまざまな臓器に機能障害が起こる状態で、疲労感や倦怠感、食欲低下、吐き気などの症状が起こることがあります。
慢性腎不全は、心臓や脳の病気との関連も深いため、早めに対応することが大切です。
肥満
肥満は、体に脂肪が過剰に溜まった状態です。
日本では、BMI指数が25以上の場合に肥満と判断されます。
BMI指数は体重と身長から算出される体格指数で、『体重kg ÷ (身長m)2』で計算されます。
ただし、肥満そのものがすぐに治療の対象になるわけではありません。
肥満は多くの生活習慣病と関係しており、放置すると心臓や脳、腎臓などに負担をかける可能性があります。
食事量が多い、運動不足が続いているといった生活習慣が原因となることが多いため、普段の行動を見直すことが大切です。
歯周病
歯周病は、口内で細菌が増えることで、歯ぐきや歯を支える骨に炎症が起こる病気です。
進行すると歯がぐらつき、最終的には歯を失う原因になることもあります。
初期には痛みが出にくいため、気づかないまま進行するケースが少なくありません。
近年では、歯周病が口の中だけでなく、全身の健康にも影響を与える可能性があることが注目されています。
全身の健康を守るためには、毎日の歯みがきや定期的な歯科受診によって、口内を清潔に保つことが大切です。
生活習慣病を放置するとどうなる?

生活習慣病を放置すると、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞・脳出血、腎不全、失明などの重大な合併症を引き起こす恐れがあります。
生活習慣病の多くは初期段階では自覚症状がほとんどないため、「特に困っていないから大丈夫」と考えてしまい、治療や生活習慣の改善を後回しにしてしまう人も少なくありません。
しかし、そうして後回しにしているうちに病気は進行し、健康にさまざまな悪影響が出てきます。
病気の進行を防ぐためには、早い段階から医療機関を受診し、症状の少ないうちから早期治療に取り組むことが大切です。
生活習慣病を予防するためのポイント

生活習慣病を予防するためには、日々の生活を見直すことが大切です。
具体的なポイントは以下の通りです。
- 栄養バランスの整った食事を心がける
- 適度に運動する
- 適正体重を維持する
- 節酒・禁煙する
- ストレスをため込まない
ここでは、上記5つのポイントについてそれぞれ解説します。
栄養バランスの整った食事を心がける
生活習慣病を予防するための基本となるのが、栄養バランスの整った食事を心がけることです。
主食・主菜・副菜をそろえる意識を持ち、身体に必要な栄養素も積極的に取り入れましょう。
特にビタミンの摂取不足が病気の発症リスクを高めるため、葉酸・ビタミンB6・ビタミンB12・ビタミンD・ビタミンEなどを多く含む食品を摂取することが大切です。
また、塩分や脂質、糖分の摂りすぎには注意しましょう。
外食や加工食品が多い生活では、知らないうちに塩分やカロリーが多くなりがちです。
食べる量だけでなく、内容を見直すことで、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの予防につながります。
適度に運動する
適度に運動する習慣を持つことで、生活習慣病の予防につながります。
激しい運動をする必要はなく、無理なく続けることが大切です。
例えば、少し息が弾む程度のウォーキングを日常に取り入れるだけでも、運動不足の解消につながります。
通勤時に一駅分歩く、階段を使うなど、日常生活の中で体を動かす工夫を取り入れてみましょう。
適正体重を維持する
体重管理は、生活習慣病を防ぐうえで重要なポイントの一つです。
肥満になると、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの発症リスクが高くなります。
そのため、現在の体重を把握し、適正体重を維持できているかを確認することが大切です。
毎日でなくても、定期的に体重を測る習慣をつけることで、変化に気づきやすくなります。
適正体重を超えている場合には、食事管理や運動により、無理なく減量しましょう。
節酒・禁煙する
お酒やたばこは、生活習慣病と深く関わる習慣の一つです。
1日のアルコール摂取量は多くても20g(日本酒1合程度)までに抑えましょう。
また、アルコールの代謝には大量のビタミンB1が消費されるため、普段の食生活でビタミンB1を積極的に摂取するのもポイントの一つです。
喫煙も健康に悪影響を及ぼすため、なるべく控えましょう。
ストレスをため込まない
生活習慣病を予防するためには、ストレスをため込まないことも大切です。
仕事や家庭の悩みなど、ストレスを完全になくすことは難しいかもしれませんが、上手に発散する方法を見つけることが重要です。
例えば、趣味の時間を持つ、体を動かす、ゆっくり入浴するなど、自分に合ったリラックス方法を取り入れるとストレスが溜まりにくくなります。
まとめ
生活習慣病には、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった代表的な病気に加え、心臓や脳の病気、肝臓・腎臓の病気、肥満や歯周病など、さまざまな種類があります。
食事や運動、飲酒・喫煙、ストレス管理など、生活習慣を見直すことで、予防や症状の進行の抑制が期待できるでしょう。
日々の生活を振り返り、健康的な生活を意識してみてください。
新宿トミヒサクロスクリニックでは、患者様一人ひとりに合わせた生活指導や、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医による内視鏡検査を行っています。
病気の早期発見・早期治療につなげるためにも、生活習慣病が心配な方はぜひご相談ください。




