糖尿病はどのくらいでなる?前兆・初期症状について解説
糖尿病は「ある日突然なる病気」というイメージを持たれがちですが、実際には種類によって発症の仕方が大きく異なります。
短期間で症状が現れる場合もあれば、気づかないうちに何年もかけて進行することもあります。
そのため、「糖尿病はどのくらいでなるのか」「急になることはあるのか」と不安に感じる方も多いでしょう。
この記事では、糖尿病が発症するまでの期間や種類ごとの特徴について解説します。
糖尿病の前兆・初期症状や受診目安、予防・早期対策方法などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
糖尿病とは

糖尿病は、血液の中にあるブドウ糖(血糖)が増加し、血糖値が高い状態が続く病気です。
血糖を調整する『インスリン』が、十分に働かなくなることが主な原因です。
インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、血液中のブドウ糖を体の細胞に取り込み、エネルギーとして使えるようにする役割を担っています。
この働きによって、血糖値は一定の範囲に保たれています。
しかし、糖尿病になるとインスリンの量が足りなかったり、インスリンがうまく作用しなくなったりすることで、ブドウ糖が細胞に取り込まれにくくなり、血液中に糖が余ってしまうようになるのです。
このような状態が続くと、体はエネルギーをうまく使えなくなり、さまざまな不調が起こりやすくなります。
糖尿病は、体全体の働きに影響を与える病気であると理解しておくことが大切です。
糖尿病はどのくらいでなる?急になる?

糖尿病は「ある日いきなりなる病気」という印象を持つ方もいますが、実際には種類によって発症の仕方が大きく異なります。
中には急に症状が出るケースもありますが、基本的に時間をかけて少しずつ進行していく場合が多いです。
ここでは糖尿病の種類について詳しく解説します。
糖尿病には1型と2型の2つのタイプがある
糖尿病は大きく分けて『1型糖尿病』と『2型糖尿病』の2種類があります。
どちらも血糖値が高くなる病気ですが、原因や発症の仕方、治療方法が異なります。
1型糖尿病
1型糖尿病は、膵臓でインスリンがほとんど、またはまったく作られなくなることで発症する種類です。
そのため、体の中で血糖を調整できなくなり、血糖値が急に高くなりやすい状態になります。
原因ははっきりとは分かっていませんが、体質に加えて何らかのきっかけで膵臓が影響を受けることで起こると考えられています。
1型糖尿病では、生命を維持するためにインスリン注射による治療が欠かせません。
2型糖尿病
2型糖尿病は、インスリンの分泌量が少なくなったり、インスリンがうまく働かなくなったりすることで起こる種類です。
以前は中高年に多い病気とされていましたが、近年では若い世代でも見られるようになっています。
日本人の糖尿病患者のうち、ほとんどが2型糖尿病に該当します。
食事の内容や運動習慣、体質など、さまざまな要因が重なって発症するのが特徴です。
甘いものの食べ過ぎだけでなく、さまざまな生活習慣が関係して起こる点を理解しておく必要があるでしょう。
1型糖尿病はある日突然発症する
1型糖尿病の大きな特徴は、症状が比較的急に現れることです。
これまで特に問題なく生活していた人が、急に強い喉の渇きや頻尿、急激な体重減少、強い疲れを感じるようになり、受診して初めて糖尿病が分かるケースも少なくありません。
体の中でインスリンが急激に不足するため、血糖値が短期間で大きく上がってしまいます。
そのため、「突然発症した」と感じる人が多いのが1型糖尿病の特徴と言えるでしょう。
2型糖尿病は突然発症するわけではない
2型糖尿病は、ある日急に発症することはまれで、基本的に長い時間をかけて少しずつ血糖値が高くなっていきます。
初期の段階では自覚症状がほとんどなく、健康診断で指摘されて初めて気づく人も多いです。
疲れやすさや喉の渇きなどの症状が出る頃には、すでに高血糖の状態が続いていることもあります。
2型糖尿病を早期発見するためには、定期的に健康診断を受けることが大切です。
糖尿病の前兆・初期症状

糖尿病の主な前兆・初期症状として、以下が挙げられます。
- 異常な喉の渇き
- 頻尿・多尿
- 疲労感・倦怠感
- 食欲の変化・体重減少
- 皮膚や粘膜の症状
- 視力低下・目のかすみ
- 手足のしびれ・ピリピリ感
糖尿病は初期段階でははっきりとした自覚症状が出にくい病気のため、上記のような症状を見落とさないことが大切です。
ここでは上記8つの症状についてそれぞれ解説します。
異常な喉の渇き
糖尿病の前兆として比較的気づきやすいのが、異常な喉の渇きです。
水分を摂っているにもかかわらず、すぐにまた喉が渇いたり、常に飲み物が手放せなくなったりする状態が続くことがあります。
夜中に喉の渇きで目が覚めるようになった場合も、注意が必要です。
血糖値が高くなり、体の中に余分なブドウ糖が増えると、体はこの糖を尿として外に出そうとするため、水分も一緒に失われやすくなります。
その結果、体が軽い脱水状態になり、強い喉の渇きを感じるようになるのです。
頻尿・多尿
トイレに行く回数や尿の量が増えることも、糖尿病の初期症状の一つです。
日中だけでなく、夜中に何度もトイレに起きるようになった場合は、生活の質にも影響が出ます。
外出先でトイレの場所が気になったり、長時間の移動が不安になったりする人も少なくありません。
「尿の量が以前よりも多い」「明らかにトイレの回数が増えた」と感じる場合は、糖尿病の可能性が考えられるでしょう。
疲労感・倦怠感
十分に休んでいるはずなのに疲れが取れない、体が重くだるいと感じるのも、糖尿病の前兆・初期症状の一つです。
朝起きた時点ですでに疲れている、以前は問題なかった家事や仕事がつらく感じるなど、日常生活に影響が出ることもあります。
このような疲労感は、体がエネルギーをうまく使えていないことが原因で起こるものです。
糖尿病ではインスリンの働きが弱くなり、ブドウ糖が細胞に十分に取り込まれなくなります。
その結果、体はエネルギー不足の状態になり、疲れやすさやだるさを感じやすくなるのです。
「年齢のせい」「忙しいから」と思い込みがちな症状ですが、長く続く場合は見過ごさないことが大切です。
食欲の変化・体重減少
糖尿病の初期には、食欲に変化が現れることもあります。
食事量は変わらない、あるいは以前より食べているのに体重が減ってしまうケースや、逆に強い空腹感を感じて食べ過ぎてしまうケースがあります。
これは、体の中でブドウ糖が十分に使われていないために起こる症状です。
エネルギーが不足すると、体は「もっとエネルギーが必要だ」と判断するため、空腹感や食欲の増加につながるのです。
また、インスリン不足によるエネルギー不足を補うために、筋肉や脂肪が使われてしまうこともあります。
そうすると、たくさん食べているのになぜか体重が減ってしまうこともあります。
食欲の変化や急激な体重減少が見られた場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
皮膚や粘膜の症状
糖尿病の前兆として、皮膚や口の中などの粘膜に変化が出ることがあります。
特に皮膚の乾燥やかゆみが代表的な症状です。
保湿をしても改善しにくく、以前より肌が荒れやすくなったと感じる場合があります。
また、ちょっとした切り傷や擦り傷がなかなか治らなくなるのも特徴の一つです。
皮膚や粘膜のトラブルが長引く場合は、血糖値の影響を受けている可能性も考えられるでしょう。
視力低下・目のかすみ
視覚の変化も、糖尿病の初期に見られる症状です。
視界がぼんやりする、ピントが合いにくい、文字がかすんで見えるといった変化が現れることがあります。
特に疲れていないのに見えにくく感じる場合は注意が必要です。
血糖値が高い状態が続くと、目の中の水分バランスが乱れ、水晶体が一時的にむくむことがあります。
その影響で、視界がかすんだり、見え方が変わったりすることがあるのです。
放置すると目の病気につながることもあるため、視覚の異常が続く場合は早めに医師に相談しましょう。
手足のしびれ・ピリピリ感
手足の先にしびれやピリピリした違和感を覚えることも、糖尿病の前兆・初期症状の一つです。
これは、高い血糖値の影響で神経に負担がかかり始めているために起こる症状です。
初期の段階では気づきにくく、疲れや冷えのせいだと思われがちですが、症状が続く場合は注意が必要でしょう。
糖尿病の受診目安・セルフチェックリスト

「もしかしたら糖尿病かもしれない」と感じたときは、早めに体の変化を振り返り、受診の目安を知っておくことが大切です。
まずは、日常生活の中で次のような症状や変化がないか確認しましょう。
- 喉の渇きが強く、水分の摂取量が増えた
- トイレが近くなり、尿量も増えたと感じる
- 十分休んでいるのに、疲れやすく、だるさが続く
- 食事量は変わらないのに体重が減ってきた
- 食後しばらくすると強い空腹感が出る
- 手足のしびれや違和感がある
- 傷や口内炎が治りにくい
これらの症状が複数当てはまる場合は、糖尿病の可能性が考えられます。
それに加えて、以下のような特徴に当てはまる場合は、より注意が必要です。
- 40歳以上である
- 家族に糖尿病の人がいる
- 運動不足が続いている
- 肥満気味である
- 健康診断で血糖や尿糖の異常を指摘されたことがある
気になる症状が一つでもある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
また、症状はいつから出ているか、どのくらいの頻度か、どのような食事を摂っているかなどをメモしておくことで、診察がよりスムーズに進みます。
糖尿病の予防・早期対策方法

糖尿病(2型糖尿病)の予防・早期対策方法は以下の通りです。
- 定期的に健康診断を受ける
- 血糖コントロールを意識した食事を摂る
- 有酸素運動を取り入れる
- 可能な範囲で筋トレを行う
- 適正体重を維持する
- 禁煙する
- ストレスをため込まない
ここでは上記7つの予防・対策方法についてそれぞれ解説します。
定期的に健康診断を受ける
糖尿病を早期発見するためには、定期的に健康診断を受けることが大切です。
糖尿病は初期には自覚症状が出にくいため、症状がないからといって安心はできません。
血糖値や尿の検査を受けることで、体の変化を数字として確認できます。
特に40歳以上の方は糖尿病のリスクが高くなるため、年に1回の健康診断を継続することが大切です。
血糖コントロールを意識した食事を摂る
糖尿病の予防や早期対策では、血糖コントロールを意識した食事を摂ることが大切です。
具体的なポイントは以下の通りです。
- 糖質の量と質に注意する
- 血糖上昇の緩やかな食品(低GI食品)を選ぶ
- 1日3食規則正しく食事を摂る
- 主食・主菜・副菜がそろったバランスの良い食事を摂る
特別なことをする必要はなく、毎日の食事の摂り方を少し工夫するだけでも違いが出ます。
また、野菜から先に食べる、よく噛んでゆっくり食べるといった習慣も血糖上昇を緩やかにします。
このような食習慣は継続することが大切なため、一気にすべて変えるのではなく、続けやすい形に少しずつ調整してみましょう。
有酸素運動を取り入れる
ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、糖尿病予防に効果的な方法です。
体を動かすことで、筋肉がブドウ糖を使いやすくなり、血糖値を下げることにつながります。
激しい運動である必要はなく、息が少し弾む程度の運動で十分です。
1回20〜30分程度の運動を週に数回行うと良いでしょう。
まとまった時間が取れない場合は、通勤時に一駅分歩く、階段を使うなど、生活の中で体を動かす工夫をしてみてください。
可能な範囲で筋トレを行う
筋力トレーニングも、糖尿病対策として役立つ運動の一つです。
特別な器具を使わなくても、スクワットや軽い腹筋運動などの自重トレーニングから始められます。
週に2〜3回、無理のない回数で行うことがポイントです。
運動に慣れていない方は、回数や時間を少なめにして、体の様子を見ながら続けてみてください。
適正体重を維持する
体重の増加は、糖尿病のリスクを高める要因の一つです。
体重が増えるとインスリンが働きにくくなり、血糖値が上がりやすくなります。
そのため、適正体重を維持することが大切です。
目標はBMI25未満、可能であれば22前後を目指すとよいですが、無理に減量する必要はありません。
5~7%の減量でも効果が見込めるため、健康的な食事や運動を続け、少しずつ体重を安定させましょう。
禁煙する
糖尿病の予防には、禁煙も効果的です。
たばこを吸うことでインスリンの働きに影響が出るほか、血管への負担も大きくなります。
少しずつ本数を減らす、周囲に相談するなど、自分に合った禁煙方法を探すことが大切です。
たばこをやめることで、体全体の健康にも良い影響が期待できます。
ストレスをため込まない
糖尿病を予防するためには、ストレスをため込まないことも大切です。
ストレスを完全になくすことは難しいため、自分なりの発散方法を見つけましょう。
十分な睡眠をとる、趣味の時間を確保する、深呼吸で気持ちを落ち着けるなど、日常の中でできる工夫を取り入れてみてください。
まとめ
糖尿病がどのくらいでなるかは、1型か2型かによって大きく異なります。
1型糖尿病は比較的短い期間で症状が現れ、突然発症したように感じることがあります。
一方、2型糖尿病は、長い時間をかけて少しずつ血糖値が高くなり、自覚症状がないまま進行することが多いです。
そのため、喉の渇きや頻尿、疲労感・倦怠感、体重の変化といった前兆・初期症状を見逃さないことが大切です。
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