大腸ポリープ切除│手術方法・食事や過ごし方の注意点・リスクや痛みについて
「検査の結果、ポリープが見つかり切除が必要と言われた」
「これから大腸カメラを受けるけど、ポリープが見つかったら切除できるの?」
40歳を過ぎると、大腸ポリープや大腸がんのリスクは徐々に高まります。
大腸カメラでポリープが見つかった方や、これから検査を受ける方の中には、ポリープ切除はどのように行われるのか、痛みや入院は必要なのか、切除後はどんな生活をすればよいのかといった疑問や不安を抱く方も多いでしょう。
この記事では、大腸カメラによるポリープ切除の方法や流れ、切除後の注意点、費用などについて詳しく解説します。
大腸ポリープとはどんなものか、なぜ切除が必要なのかについても解説しますので、大腸ポリープ切除で不安を感じている方はぜひ参考にしてみてください。
大腸ポリープとは

大腸ポリープとは、大腸の粘膜にできる隆起した病変の総称です。
大腸ポリープはできても自覚症状がないことがほとんどで、検査で偶然見つかることが一般的です。
大腸ポリープにはさまざまな種類がありますが、大きく「腫瘍性ポリープ(がん化する可能性がある)」と「非腫瘍性ポリープ(がん化の可能性が低い)」の2つに分けられます。
| 腫瘍性ポリープ(がん化する可能性がある) | 非腫瘍性ポリープ(がん化の可能性が低い) |
| ・良性腫瘍(腺腫)・悪性腫瘍(がん) | ・過形成性ポリープ・炎症性ポリープ・過誤腫性ポリープ |
大腸がんの8〜9割は大腸ポリープから起こる
大腸がんの8〜9割以上は良性の「腺腫」というポリープが数年間の時間をかけてがん化すると考えられています。
腺腫は良性であるものの、時間の経過によって少しずつがんに進行していく可能性があるため、発見した場合は切除が必要です。
特に、大腸ポリープの大きさが20mmを超えると、がん化のリスクは40〜50%にもなるといわれています。
また近年では、これまでがん化の可能性が低いとされていた非腫瘍性の「過形成性ポリープ」も、サイズが10mm以上と大きいものや、上行結腸や横行結腸に生じたものの場合は、がんへの移行リスクが高いと指摘されています。
大腸ポリープは日帰り手術で切除可能

大腸カメラ検査中に大腸ポリープが見つかった場合、その場で切除できるケースが多くあります。
大腸ポリープ切除は入院を伴わない日帰り手術が一般的で、ポリープの大きさや形、数によって適した切除方法は異なりますが、良性と判断されるものや比較的小さいものは、身体への負担を抑えつつ切除できます。
切除後は一定時間の安静が必要ですが、日帰りで行えるため、仕事や家庭への影響が気になる方も受けやすいでしょう。
切除したポリープは病理検査で詳しく検査
切除した大腸ポリープは、顕微鏡による病理検査(組織診断)によって詳しく調べます。
見た目では良性に見えるポリープでも、内部にがん細胞が含まれている可能性はゼロではないためです。
切除が必要だからといって必ずしも悪いものというわけではなく、ポリープの種類やがん化の有無を調べるために必要な検査です。
なお、病理検査の結果が出るまでは、通常1週間〜2週間ほどかかります。結果に応じて、追加治療や経過観察などが行われることがあります。
大腸ポリープは必ず切除が必要?
すべての大腸ポリープが、必ず切除が必要になるわけではありません。
がん化しないと考えられるポリープは、そのままにしても患者さんの健康に影響することは少ないため、出血など症状が起きていない限りは切除しないことがほとんどです。
しかし、大腸カメラ検査中に最も多く見つかるポリープは「腺腫」で、これは将来的にがん化するリスクがあるタイプになります。
そのため実際には、大腸ポリープは取った方が良いと判断されるケースが多いです。
大腸ポリープの切除方法

大腸ポリープの切除方法には、いくつかの種類があります。ここでは代表的な治療法を紹介します。
ポリペクトミー
ポリペクトミーとは、内視鏡の先端にある「スネア」と呼ばれる輪状の器具でポリープを締めて切除する方法で、キノコのような形の茎のあるポリープや、比較的サイズの小さいものに用いられます。
ポリペクトミーには、高周波電流を流して焼き切る「ホットポリペクトミー」と、電流を流さずに切除を行う「コールドポリペクトミー」の2種類があります。
コールドポリペクトミーは、高周波電流を使用する方法に比べて出血や穿孔(腸に穴が開く)といった合併症のリスクが低く、抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)を服用中の方や心臓ペースメーカーを使用中の方も切除が可能です。
ホットバイオプシー
ホットバイオプシーは、生検鉗子と高周波発生装置を用い、ポリープをつまみ取りながら電気で焼灼する方法で、5mm未満の小さいポリープに用いられます。
短時間で処置が完了しますが、正常な組織にもダメージを与えてしまうことから、近年はあまり使用されない方法です。
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
内視鏡的粘膜切除術(EMR)は、10〜20mm程度の平べったいポリープに適した切除方法です。
ポリープの下に生理食塩水などの液体を注入して持ち上げ、ポリープを隆起させてからスネアで切除を行います。
周囲の正常組織への影響を抑えられる点が特徴で、比較的大きなポリープでも日帰り対応が可能ですが、20mmを超える大きなサイズのポリープの場合には、出血のリスクを考えて入院での切除となることもあります。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、20mmを超える大きなサイズのポリープや、ポリペクトミーやEMRでの切除が難しいケース、早期大腸がんの切除などで用いられます。
病変の下に生理食塩水などの液体を注入して持ち上げ、周囲を少しずつ電気メスで切開し、粘膜下層から剥がし取ります。
ESDの場合は、4泊5日程度の入院治療が必要となるため、当院では実施していません。
入院が必要と判断される場合は、患者さんのお住まいの近くにある高度医療機関をご紹介しています。
大腸ポリープ切除のリスクや合併症

大腸ポリープ切除は確立された治療法であり、医師が安全に十分配慮したうえで行いますが、手術である以上、リスクや合併症が存在します。
重篤な合併症が起こることは稀ですが、高齢の方や持病のある方はリスクが高まる可能性があるため、事前に医師と十分相談しておきましょう。
ここでは、主な合併症である出血と穿孔について解説します。
出血
ポリープ切除後、約1%程度で術後出血が起こることがあります。
出血は切除後2~3日以内に起こることがほとんどで、1週間を過ぎると出血の頻度はほぼゼロに近づきます。
多くは軽度で、安静にすることで自然に止まりますが、出血量が多い場合は止血処置が必要になる場合があるため、すぐに医師に連絡しましょう。
出血のリスクはポリープの大きさや形状によって変わり、大きいポリープや平坦なポリープは出血のリスクが高くなるため、慎重な処置が必要です。
また、高齢者の方、抗血栓薬を服用している方、心疾患や腎疾患のある方も出血のリスクが高まるため注意しましょう。
穿孔
穿孔とは、大腸の壁に穴が開いてしまうことをいいます。
穿孔が起こるのは数千例に1例程度とされ、極めてまれですが、切除時に電気を通し過ぎたり、大きなポリープを無理に切除しようとするとリスクが高まります。
穿孔のリスクをできるだけ抑えるためにも、経験豊富な医師による手術を受けましょう。
大腸ポリープ切除前後の注意点

大腸ポリープ切除を安全に行うためには、切除前後の過ごし方が非常に重要です。
ここでは検査・切除の前後で注意すべきポイントを解説します。
検査・ポリープ切除前:腸内をきれいにしておく
大腸カメラ検査やポリープ切除を行う前には、下剤を使用し、大腸内を洗浄します。
腸内がきれいでないとポリープの見落としにつながるため、食事制限や水分摂取の注意点を必ず守って準備を進めましょう。
不安なことがあればそのままにせず、事前に相談しておくと安心です。
検査・ポリープ切除後:医師の指示に従って過ごす
大腸ポリープ切除は開腹手術が不要で、多くの場合、切除自体に痛みはありませんが、あくまで手術です。
出血や合併症を防ぐために、切除後1週間程度はお酒(アルコール)や運動は避ける必要があります。医師の指示に従って安静に過ごしましょう。
大腸ポリープ切除後の食事・過ごし方について

大腸ポリープは日帰り手術が可能で、日常生活にすぐ戻れる場合が多いですが、食事や過ごし方には注意が必要です。
食べ物・飲み物
大腸ポリープを切除した後は、なるべく腸に優しい消化の良い食事を心がけることが基本です。
食物繊維の多い野菜や果物、脂っこい食事、香辛料などの刺激物、アルコールは1週間ほど避けましょう。
おかゆやうどん、油の少ない白身魚や肉など腸に負担をかけにくい食品がおすすめです。
運動・腹圧がかかる動きや姿勢
運動や、重い物を持ち上げる、強くいきむなど、腹圧がかかる行為・姿勢は出血の原因になるため、切除後1週間程度は控える必要があります。
便秘になると排便時にいきむ必要が生じるため、便秘にならないよう、水分を意識的に摂取することが大切です。
入浴・サウナ
入浴やサウナは血行がよくなり、出血のリスクが高まります。
当日〜3日間程度は入浴は避け、シャワーのみにしましょう。
出張・旅行
切除直後に出張や旅行で遠方へ移動してしまうと、万が一出血が起きた場合にすぐに対応することが難しくなります。
切除から1週間程度は出張・旅行など遠出の予定が入らないようスケジュール調整をしたうえで手術を受けましょう。
排便(出血)
便に少量の血が付着する程度であれば問題ないこともありますが、大量の出血が見られた場合は、止血処置が必要なためすぐに医師に連絡してください。
出血は切除後2~3日以内に起こることが多く、念の為1週間くらいは排便時に便器をチェックしましょう。
服用中の薬
抗血栓薬や抗血小板薬などを服用されている方で、切除のために一時的に服用を中止した方は、自己判断での中止や再開は避け、医師の指示に従いましょう。
大腸ポリープの切除費用

大腸ポリープの切除手術には保険が適用されます。
費用の目安としては、3割負担の方は20,000~30,000円程、1割負担の方は7,000~10,000円程となります。
大腸ポリープ切除についてのよくある質問

ここでは、大腸ポリープ切除について患者さんからいただくことの多い質問と回答を紹介します。
Q:大腸ポリープ切除に痛みはある?
大腸ポリープができる粘膜には痛みを感じる神経がほぼないため、通常はポリープ切除で痛みを感じることはありません。
しかし、技術的な問題で深く切除し過ぎてしまった場合や、穿孔が起きた場合は強い腹痛や高熱が起こることがあり、緊急で治療が必要になることがあります。
このようなリスクを避けるためにも、経験豊富な医師を選ぶことが大切です。
切除後の痛みとしては、軽い腹痛や違和感、腹部膨満感が生じることがありますが、数日で改善することがほとんどです。
長く続く場合や痛みが強くなる場合は、医師に相談しましょう。
Q:大腸ポリープ切除で入院が必要になるのはなぜ?
多くの大腸ポリープ切除は日帰りで行えますが、一部のケースでは入院が必要になることもあります。
例えば、ポリープが大きかったり、抗血栓薬を内服していて出血や穿孔のリスクが高いなどのケースです。
特に高齢者の方の場合、万が一のときに迅速に対応するため、入院設備の整った病院での切除を勧められることがあります。
Q:大腸ポリープ切除で医療保険の給付金はいくらもらえる?
大腸ポリープ切除は、民間の医療保険やがん保険の「手術給付金」の対象となることがあります。
加入している保険の種類や契約内容によって、給付の可否や金額は異なるため、保険会社に確認してみましょう。
まとめ
大腸ポリープは自覚症状がほとんどないものの、放置すると大腸がんへ進行する可能性がある病変です。
現在では、大腸カメラ検査中にポリープを発見したらその場で日帰り切除できるケースが多く、患者さんの身体的・時間的・経済的負担は以前に比べて軽減されています。
新宿トミヒサクロスクリニックでは、積極的に日帰りでの大腸ポリープ切除術を行っております。
豊富な内視鏡経験を持つ内視鏡専門医・指導医が丁寧に大腸カメラ検査・日帰りポリープ切除を行いますので、ぜひお気軽にご相談ください。




